第14話 集合は難しい(キカクシリーズ「岐阜編」)
こんにちは。
<前回までのあらすじ>
社会人2年目の私は、オシャレさに憧れて初任給でMacを購入したものの、YouTubeとZOZOTOWNしか使いこなせない日々に辟易し、「もっとITを駆使している感を醸し出したい」と感じていた。
そこで、
有名IT企業に勤める旧友・二嶋と
(本人のFacebookより引用)
“こだわりの使徒” こと世界と共に、
(本人のFacebookより引用)
観光資源をただ享受して楽しむよりも、
ITを駆使している感を醸し出すことを目指し
企画シリーズ「思い出よりキカク」を始動した。
我々はSkype会議(IT感のある打ち合わせ)を行った末、第3回キカクを「三十三観音巡り編」に決定。
2015年末、3人体制の初陣。
我々は恵那駅集合の日を迎えた。
☞前話を見逃した方はコチラ
stepfatherena15.hatenablog.com
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本編を始める前に、皆さんにお知らせがある。
私事ではあるが、iPhone6を購入してから数週間が経った先日、OSをアップグレードしようと試みたのだが、最後の最後で画面がフリーズしてしまった。
(iPhone 6 Plus 64GB Silver (GSM) - Apple)
iOS9ではよく起きるバグらしい。
後学のために情報共有しておくと、「強制起動して、データはバックアップから復元」という対処が“ベターな解決策”とのこと。
ーーー嗚呼、最後のアレは去年の夏だっただろうか。
ーーーひと夏のアレだった。
(iPhone 6 Plus 64GB Silver (GSM) - Apple)
夏以来、データのバックアップをとっていなかった。
なんということだ。
ーーー「バックアップをとっていない」
ITをまるで駆使出来ていないヤツが言いそうなことじゃないか。
というわけで、今回「三十三観音編」で私が撮影した写真のうち、共有ファイルに入れそびれた一部の写真は消えてしまった。
これは致し方ない、苦肉の策。
というわけで、「手描きのへったくそなイメージ図」と「世界の写真」で物語を楽しんでいただきたい。
何卒ご容赦いただきたい。
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ここが新しい物語の舞台だ。
前回、3人体制になって初めての打ち合わせを行なった我々だが、予想外にとんとん拍子でキカクが決まったことや、連休をとれる年末年始が近かったこともあり、カカシ編の最終回から約1ヶ月半でこの場所に帰ってきた。
見ての通り、快晴だ。
代わり映えのない景色にも、どこか安心する。
私は少しだけ、恵那駅に受け入れられた気がした。
世界からも、すでに到着しているとの連絡が来ていた。
新潟から5時間、
すさまじい悪路を超えて辿り着いたようだ。
さらに、2人乗りである“群青の彗星”からレンタカーに乗り換え済みとのこと。
私は駅を降りるとすぐ、その姿をとらえた。
世界、恵那初上陸。
「おぉうぃいす」
「久しぶり」
「写真で見てた通りの景色だわ」
「まあ、そうだな」
「なんか感動するな」
「」
まだ二嶋から到着連絡が来ていなかったので、
恒例の“えなてらすチェック”に向かうことにした。
※イメージ図
年末休業だった。
「まじか」
「ココT購入はまたの機会だな」
さて、二嶋の到着を待つだけだ。
すでに予定はかなり押している。
「このままだとスケジュール的に間に合わない」
そんな危機感を抱えながら、待機すること10分。
二嶋から連絡がきた。
「新横浜なう」
「寝過ごした」
「申し訳ない」
「マジで」
「このまま帰省してもいいかな」
ーーー3人体制になるということ。
3人になることで「スケジュールの融通が利きやすくなる」というメリットに気をとられていたが、これは別の考え方をすると「自分1人が行かなくても“キカク”は成立する」ということを意味する。
例)3人いないと成立しないこと
(http://tetsusism.com/ntv-24hour-tv-daigo-marathon-runner-charity-1013)
予想外の形で新体制の問題点があらわになった。
つまりは「一人一人のコミットメントを弱くする」ということ。
(ダチョウ倶楽部の寺門ジモン、お笑いよりも「肉割烹でもやろうかな」 )
私は二嶋に返信をした。
「はい、どうぞ」
コミット云々以前に「こいつ、人としてやべーだろ」と私は思ったが、それが彼という人間なのだと諦めることにした。
我々はお友達ではない、あくまでメンバーなのだ。
そんな中、世界から冷静な指摘があった。
「なあ」
「二嶋が来ないならさ」
「2人乗りの彗星で良かったんじゃね」
「」
ーーームードは最悪。
そして、二嶋のドタキャン以上に我々の空気を重くしていたのが、今回のキカクは2日間かけて「寺を回り続けるだけ」であり、消耗戦の様相を呈することが明らかだった点だ。
「なあ」
「ブログ読んでイイネ!するくらいがちょうどよかった気がしてきたよ」
「社会人の貴重な年末休みだぜ?」
「そうか、世は年末なんだな」
本日、12月29日。
(http://enasan.net/news/005394.php)
情報基地 “えなてらす”はお休み。
駅前にもほとんど人はいない。
「そういえば」
「さっきレンタカー借りにいったとき、店員さんから笑顔で『おかえりなさい』って言われたよ」
「どう考えても帰省だったんだろうな」
「年末に恵那市をレンタカーで観光する人はあまりいないんだろうな」
「恵那市に限った話じゃない気もするけどな」
「てか、よく考えたら」
「おかえりなさいの意味もよくわからねえな」
(http://www.watanabe-glass.co.jp/store/)
もし自分が店員だったら、目の前のお客さんが「貴重な年末休みに、“群青の彗星”で遠路はるばる5時間かけて雪道をくぐり抜け、三十三観音を巡りにやって来た」とは夢にも思わないだろう。
しかし、悲観的なことばかりは言っていられない。
なにしろ今回のキカクは重大なミッションを背負っているのだ。
「にしてもだ」
「今回で“岐阜編”にやらせが一切存在しないことを証明しなければいけない」
「恵那市のイメージにもつながるしね」
「おれらよそ者なのにね」
「そろそろ行くか」
恵那市の冬風の冷たさを感じつつ、
我々は駐車場へ戻り車に乗り込む。
世界のiPodからは、
季節感のないサザンオールスターズが流れ出した。
「第1番、東禅寺だ」
かつてない低空飛行状態から
いよいよ「三十三観音巡り編」はスタートする。
(「岐阜編」第14話 終わり)
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