「新シリーズ・岐阜編」第3話 vs明知鉄道
こんにちは。
(前回までのあらすじ)
社会人2年目になった私は、
学生生活のすべてをささげたキカクに
”ITを駆使している感”を醸し出すため、
IT企業に勤める旧友と新シリーズ・岐阜編をスタート。
恵那駅(岐阜県)に到着し、
あまりののどかさに早くも焦燥感を覚えた我々だったが
懸命なリサーチの末、
“ローカル電車「明知鉄道(略してあけてつ)」の
線路沿いを端から端まで完歩する”
というキカクにチャレンジすることとなった。
***<参考>***
※キカクとは
“お巡りさんには決してお世話にならないレベルの悪ふざけ”
と想像していただけるとわかりやすい。
○イメージ
見ての通り、大学4年のクリスマス(2013.12.25)に
非リア男子だけで開催した運動会(本気)での選手宣誓シーンだ。
(↓限りなく暇なときに、私のFBにて詳細をご一読いただけると幸いである)
(↓「岐阜編」第2話を見逃した方はこちらから)
stepfatherena15.hatenablog.com
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第1回のキカクは、
“「あけてつ」の線路沿いを端から端まで歩く”というもの。
過去の話になるが、学生時代から
「線路沿いシリーズ」は数多くあった。
(2013年元旦「チョコボール山手線2」より。
袋の中身は全て、食べきれずに持ち帰ったチョコボールである)
今回も「線路沿いシリーズ」ということで、
学生時代から親交がある“戦友”に
久しぶりに声をかけてみた。
「Googleマップ(通称:神アプリ)」である。
今までの「地図」という概念を覆した
彼の功績は大きい。
彼は基本的に、“歩いて通れる道”を示してくれるので、
今までのキカクの中で、幾度となく生まれた
「遭難した説」を解消してくれた。
集合場所を彼に送ったところ、
5秒ほどで駆けつけてくれた。
というわけで今回は、
“二嶋・私・神アプリ” というトリオで
「あけてつ」に立ち向かうこととなる。
駅前のロッカーに荷物を預けた我々は
早速神アプリの示す道を歩き始めたのだが、
10分ほど経つと
田んぼや河川敷(のようなもの)が現れ始め、
線路沿いを歩くことが難しくなってきた。
少し話は逸れるが、
この「線路沿いを歩く」というキカクにおいて
本来、線路から遠ざかるのはダメである。
なぜならば、通過電車の”姿と音”は
ゴールまでの道を伝える唯一の情報だからである。
しかし、神アプリがいれば話は別だ。
どれだけ線路から遠ざかっても、
次の駅までの道のりは掌の上だ。
ゆえに、
トラクターに乗るおじさんが隣に現れようと、
蛇が現れようと、
焦ることはない。
神アプリがいれば安心なのだ。
さて、
田んぼ道を歩く我々は
滞りなく3つめの飯沼駅に到着した。
勾配日本一の駅らしい。
5月にして初夏のかほりがする、
岐阜の静かな昼下がり。
そんな折、我々は
2つの重大な事実に気づいた。
①iPhoneの充電がすでにやばい。
気づいたら4%になっている。
これもアウェーの洗礼だろうか。
②充電器をロッカーに置いてきてしまった。
駅のロッカーが大きめだったので、ついつい忘れてしまった。
巧妙な罠と言わざるを得ない。
おわかりだろうか。
神アプリが使えなくなったのだ。
我々には、
「えなてらす」でもらった地図を
頼りにするしか方法がなくなった。
神アプリは早退した。
残された二嶋と私。
改めて確認すると
現在地は、ゴールまでの11駅中3駅めである。
かなり序盤だ。
しかし、
「諦めて電車に乗る」という選択肢は、我々には毛頭なかった。
第1回だからである。
初回からお蔵入りなど、あってはならない。
恵那までの交通費が水の泡になるなど、
あってはならない。
我々が辿ったその後の道は、皆さんも想像に難くないだろう。
充電をセーブするため
写真も撮らず、
遭難の危険と隣り合わせのまま
人も車も通らない(馬は通った)
山道を行く。
あけてつは1時間に1本だけ通った。
二嶋と私は、
道中で語り合う。
「何のために恵那へ来たのか」
中間地点だから恵那にした、
その理屈はわかる。
ただ、恵那で何をしたいのか。
恵那を有名にしたいのか。
もしくは、
今までのキカクように
楽しければそれでいいのか。
新シリーズ・岐阜編には
「目的」が欠けていた。
しかし、大自然と向き合う中で
我々は1つの仮説にたどり着く。
自分は今、恵那という存在と戦っているのだと。
今までの自分は
東京や神奈川・仙台など、
何ら不便のないリングで戦う
あまちゃんでしかなかったのだと。
(2014年元旦「じぇじぇじぇのおじさん」より)
このままではいけない。
これから相手にしようとしているのは、
”恵那vs人間”
”あけてつvs人間”
たしかに恵那にはたくさんの魅力がある。
ただ、それをただ発信するのではなく。
「町の魅力を享受する」のではなく、
「町の魅力と”たたかう”」という
接し方・価値観があってもいいんじゃないか。
足がすこぶる重い。
だが、気がつくと我々はたしかに
終点の明智駅に辿り着いていた。
25.1kmの果て。
「大正村」が位置するこの駅は、
昔ながらの町並みを残している。
そして、
日が暮れる前にゴール出来た安堵感からか、
二嶋は駅前の広場で寝てしまった。
これも恵那の持つ、居心地という名の魔力のせいだろう。
最後に、
この写真を撮ると間もなく
スマホの充電は切れた。
勢いだけで始まった岐阜編であるが、
恵那の中枢を走る「あけてつ」沿いを完歩したことで
キカクの将来性・方向性が見えてきた。
我々の戦いはまだ始まったばかりである。
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「新シリーズ 岐阜編」
第1回 2015.5.2
「社会人vs明知鉄道 〜あけてつあるけ〜」
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(第3話 終わり)