新しい5月の愉しみ方【前編】(Tokyo案庵 第3回)
(引用:http://release.co.jp/r/183443/)
GWも間近に迫った4月のとある休日。
私は1人で考えていた。
「5月」という存在の特異性について。
(引用:https://www.city.shibuya.tokyo.jp/shibuya/event/2016/)
世の中の人々の大半が意識していないことと思うが
5月とは、1年の中でもっとも“なんか気持ちいい”季節である。
ーーー春がやって来て数十日。衣替えはすっかり終わり、アウトドアイベントのお誘いにも夏の息吹を感じる。
手帳の文字も、心なしか踊っているようだ。
いやしかし、この表現だと
「10月だって“なんか気持ちいい”じゃないか」
「そんなの偏見だ」
といったご指摘をいただくかもしれない。
【5月vs10月 “なんか気持ちいい” 決勝戦】
(引用:http://obaco.seesaa.net/article/20624966.html)
しかし、5月には「ゴールデンウィーク」という秘密兵器もいるのだ。
優勝。
(引用:http://samuraigoal.doorblog.jp/archives/2015-06-30.html)
(引用:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160528-00010012-soccermzw-socc)
それでもだ。
それでもなお。
5月の存在感はどこかアレだ。
(引用:http://tagsecond.com/tag/リベロの武田)
いつ5月は限界を迎えたのだろう。
(引用:http://d.hatena.ne.jp/p0lar-star/20110605/p1)
悩んだ。
5月が存在感を獲得するには、“なんか気持ちいい”説の流布だけでは不十分。カギはおそらく、ゴールデンウィークのプレゼンスを今一度示すことにある。
【※イメージ図】
ゴールデンウィーク最大の課題は、夏休みや年末休みと比べて娯楽のイメージが圧倒的に弱いこと。つまり「5月らしい、なんか気持ちいい」×「夏冬のイメージを持たないイベント」の最大公約数が5月の勝利の方程式だ。
*******
【次の日】
「という経緯がありまして」
「はい」
「今回の案は、新しい“5月の愉しみ方”です」
お馴染み“ジェバンニ”こと 渕上
「とりあえず呼び出すのやめてくれないか」
「で、何すんの?」
「ピクニックだ」
(引用:http://camphack.nap-camp.com/146/3)
「なるほどな」
「私見なんだが、10月の食欲の秋・キノコ狩りやサンマの塩焼きの方が“なんか気持ちいい”ランクで言うと上じゃないか?」
(引用:http://selectgarden.net/blog/?p=413)
「たしかに、それも素晴らしい“なんか気持ち良さ”だけども」
私は“5月vs10月”決勝戦の話をした。
「なるほど」
「会話の節々に発生する『もうすぐ夏がやってくる』という予感がポジティブであり、GWを擁していることも踏まえトータルで見ると5月・ピクニックこそ至高というわけだな」
「そうそう」
「昨今すっかりナメられてしまったイベント・ピクニックの存在感を取り戻そう」
「大枠はわかったけど、ピクニックって具体的に何すんのさ」
「ピクニックにおいて在り方が凝り固まってしまった、最たる存在」
(引用:http://ameblo.jp/penguin-syokudou/entry-12007427259.html)
「そう、お弁当にメスを入れる」
「って言おうと思って画像調べたら、何かめっちゃオシャレになってるな」
【ビンにペンネ】
「ビンにペンネは困ったな」
「ピクニックもすでに進化していると」
・・・。
議論が難航してきたので、
頼れる仲間に相談することにした。
*******
prrr
「もしもし世界?ピクニックいこうぜ」
「懐かしい響きだな」
岐阜編でお馴染み「こだわりの使徒」世界
(先日東京へ異動となった)
「あ、引っ越しお疲れさまです」
「満を持してのTokyo案庵デビューですよ」
「ところで」
「はい」
「誕生日編を見る限り、このシリーズは心理戦をメインにしているようだけど」
【☞壮絶な心理戦となった第1回はこちらから】
「いや、わざとやっているわけじゃないんだ」
「今回もそういう案なのかな?」
「実は相談があって」
私は「ビンにペンネ」について話した。
「なるほど」
「話を聞く限り、答えは一つなんじゃないか?」
「」
「ビンにペンネより“なんか気持ちいい”ピクニック弁当を作ればいいじゃん」
そういえば、
世界は料理が得意だった。
「これなら妙な心理戦に陥ることなく、タイトルにふさわしいキカクになるんじゃないか?」
「だいぶ簡単に言ったけど、すげー抽象的だぞ」
「私も参加させていただくよ」
「お前、自分のフィールドに持ち込んだな」
ーーーしかし光明を見出した気もした。
そう。作るべき弁当の基盤が決まっているから、たとえば料理が苦手な女性は「サンドイッチ」や「唐揚げ」「たまご焼き」で、必然的に比較のフィールドに立たされてしまう。料理をしない女性にとってピクニックはリスキーな会合だ。
「ゆうてピクニックで作る程度のお弁当じゃん!」という人もいるだろうが、それは時代錯誤の考え。昨今、おにぎり一つで差を見せつける女子力すら存在するのだ。
(引用:http://erecipe.woman.excite.co.jp/detail/7d2be893bbeeccfaf72222c56a98e723.html)
とすると、各々がピクニック特有の“なんか気持ちいい状態”にふさわしいと感じるような弁当を持って来ればいいんじゃないか。
味の比較ではなく、チョイスも加味したお弁当トークに花が咲くこと間違いなしだ。
「ダイバーシティ」
なんて素晴らしいピクニックテーマだ。
「ありがとう、世界」
*******
かくしてTokyo案庵・第3回キカクは決まった。
5月の存在感を取り戻すため、我々はGWに弁当を持ち寄りピクニックを行う。
その日、ピクニックは新世界の扉を開ける。
*******
prrr
「あ、ちなみにだけど」
(引用:http://ciatr.jp/topics/49816)
「おれ、昔フレンチトースト屋で働いてたんだよね」
意味のない揺さぶりをかけてきた。
いや。
畢竟、人生において“心理戦”は避けて通れぬ道なのかもしれない。
(引用:http://tarotaromona.blog.fc2.com/blog-entry-208.html)
長い人生における、些細な遊び心。
私は決めた。
「戦おう」
「そういえばお前ってバイト何してたんだっk…」
「ジェバンニ、ひとつだけ言っておく」
「大戸屋なめんな」
ピクニックの新世界の扉は、私が開ける。
(Tokyo案庵 第3回【前編】終わり)