新しいプレゼント交換【前編】(「Tokyo案庵」第2回)
(http://イルミネーションと夜景.com/illumination/0194/)
―――12月、東京のとある夜。
私は1人で考えていた。
ーーー形式化されたクリスマスの過ごし方
特に、クリスマスの恒例イベントとなっている
「プレゼント交換」についてのあれこれ。
(http://conexions.org/archives/3863)
そもそも“プレゼント交換”とは何なのか。
(http://ta-7.com/sasakureboy/1566/)
我々がクリスマスに行う“プレゼント交換”は
大きく5つの要素に分けることが出来る。
これは言い換えると
① プレゼントする相手を認識する
② 受け取った相手が喜ぶ姿を想像する
③ “気持ちがプレゼント☆”はNG
④ 自腹でプレゼントを買う
⑤ 一方通行のプレゼントではない
ということ。
この“プレゼント交換”というイベント、
何度か経験する中で気付いたのだが
“避けられない壁”が2つある。
☞ 1.(3人以上の場合)
大体いらないものがもらえる
(http://girlschannel.net/topics/312406/)
欲しい物が手に入る可能性は0に等しい。
この原因として以下が挙げられる。
・「予算は~円まで」という制限が設けられることが多く、それ以上の値段の物を買うと何かスベった感じになる。
・参加者全員が自分のプレゼントを受け取る可能性があるため、プレゼントのチョイスを無難にせざるをえない。
後日、受け取ったプレゼントはそっと棚の奥。
という経験が皆さんにもあるかもしれない 。
☞ 2.(カップルの場合)
物の価値より存在自体が重い
(http://onecall2ch.com/archives/6685231.html)
・欲しくない物をもらった場合
☞2.は高価格の可能性がある分、余計に厄介である。使っていないこと、気に入っていないことがバレると少なからず相手を傷つけてしまうからだ。
・欲しい物をもらえた場合
☞これは別れた後、厄介になる。
気に入って使っている分、棚の奥には置きにくいものだ。かといって使っていると、事情を知っている友人にとやかく言われる可能性がある。
念のため突破口の参考URLを下記するが、いずれにせよ“プレゼントとしてもらったがゆえに” 心苦しい思いをするのは必至だ。
【参考】
ここで、考えるまま書き込んでいた手が止まった。
ITを駆使している感を醸し出して悩んでみたものの、
とても困った。
というのも、「2人の場合 +3人以上の場合」=全ての場合で「“プレゼント交換”は選ぶのもあげるのも無駄」という結論に至ってしまったのだ。
(http://gori.wa-is.co.jp/?eid=7)
よくよく考えると、いい大人が
「自分の物差しで勝手に選んだモノを人様へ献上する」
「“買ってあげる”という事実で半強制的に私用を促す」
こんなに摩訶不思議なコミュニケーションはない。
「相手が知らなかった物・コトを贈る」という意味で “プレゼント”を贈る文化はとても素敵だと思うのだが。
ーーー“プレゼント交換”はいつ限界を迎えたのだろう。
しかしその一方、こういう見方もできる。
「何もメリットのない“プレゼント交換”が
それでもなくならないのはなぜだろう」
これには2つの理由があると私は考える。
1.「相手を想って選ぶのが楽しい」渡し手の充実感
(http://news.ameba.jp/20151020-824/)
2..“プレゼント交換” 自体のワクワク感
(http://girlschannel.net/topics/147593/)
そして思った。
もはや、交換される“物”は価値の本質でなく、そこに介在する「渡す直前までの準備期間」にバリューがあるのではないかと。
(http://matome.naver.jp/odai/2144844643296452101)
つまり、
プレゼントは渡す必要ないのではないか。
具体的に言うと、
①プレゼント交換をするつもりで相手(複数の場合も有)が喜びそうな物を買う。
②事前に「プレゼント交換はしない」という意向を参加者全員で共有。(サプライズ感のための前フリ)
③当日、実は各自プレゼントを持参しつつもあえて渡さずに会を終え、持ち帰る。
という方法はどうだろう。
※前回の「誕生日編」を経て、“プレゼントはサプライズの方が嬉しい”という事実が発覚したので、当日はプレゼントをちゃんと持参してギリギリまで「渡すんだ」という気持ちで参加するのが望ましい。
【参考】
stepfatherena15.hatenablog.com
そういえば。
今年のクリスマス、特に予定がなかった。
(https://twitter.com/golgosmile)
ので、今回の案をクリスマスに試してみることにした。
相談したのは、同僚の渕上君。
**☆プロフィール☆**
・元ラガーマン
・サックスがちょっと吹ける
・ジャニーズにちょっと詳しい
************
「クリスマスの金曜空いてる?」
「なぜおれに聞く」
「試したい案があるんだ」
「またかよ」
※渕上君は第1回「誕生日」編にも参加し、
“ジェバン二渕上”として会を終始支配した。
とりあえず案の概要を渕上に説明した。
「なるほど」
「これなら全員がいい気分で会を終えられる」
「それってさ」
「うん」
「物を交換しないってこと?」
「うん」
「“プレゼント交換”って言わなくね?」
「相手のことを想ってプレゼントを選んだ上、自腹を切って買うという事実を交換し合っているじゃん」
「あと、わざわざプレゼントを当日持ってきて交換はしないっていう理屈が理解出来ないんだが」
「たとえば、遠足を構成する要素って前日までのワクワクが9割じゃん」
☞ 「まるちゃんは遠足の準備が好き」の巻
「で?」
「つまりピークはいつもコトの手前にあって、世の中の森羅万象はその予定調和だということ」
「深いようで浅いな」
「ありがちな台詞を覆すようだけど、遠足当日の朝から家に帰るまでの時間は、遠足ではなくただの作業だからね」
「つまり、遠足も前日準備までで止めておけば楽しさがピークのまま終われるんだよ。多分」
「なるほど。そういえば、タッチの南ちゃんが言ってた」
「この南ちゃんの発言には疑問が残るな。お前の言う説をこのケースで言い換えると、集合した瞬間にデートは終了するよな」
「うん。厳密に言うと、待ってる時間 “も” ではなくて ”が” だな」
「楽しかった“前日のワクワク”というイベントを締めるために南ちゃんは右肩下がりの消化試合(デート)をこなしているのか」
「待っている時間がデートだと」
(http://nebanebawh.blog75.fc2.com/blog-entry-1166.html)
「しかしあれだな」
「25日に男2人でこの案を試すのはさすがに憚られるな」
「精神的にかなりきついな」
前回に引き続き、岐阜編でおなじみ“カカシデザイナー”ことたまきにオファーしたところ、「参加出来る」とのことだった。
「案の概要は話さない方が面白いかな?」
「交換しない旨だけ伝えておこう」
次に我々は、何を買ってプレゼントしないか決めた。
「誕生日のときはウケ狙いで事なきを得たけどさ」
「よく考えたらあいつのこと何も知らねえな」
「どこかへヒントを探しにいこう」
今回のメインディッシュ、プレゼントの選定を謳歌するために我々は、ヒントを得られそうな場所をネットで探してみた。
「あったぁ」
「お」
渕上が見つけたのは『春画展』
(http://www.j-cast.com/2015/05/22235926.html)
***(以下HP「SHUNGA 春画展」より引用 )**
春画は、江戸時代に笑い絵とも呼ばれ、性描写と笑いが同居したユーモアで芸術性の高い浮世絵になります。特に海外から高い評価を得ており、2013年から2014年にかけて大英博物館で行われた 「春画 日本美術の性とたのしみ」は大きな話題を呼びました。
*************************
贈る相手がカカシデザイナーということもあり、
芸術性が高い世界観に触れることでたまきの嗜好が見えるのではないか。
我々はそう目論んでいた。
【12月23日(水) 『春画展』展示最終日】
『春画展』の開催場所・永青文庫は、
JR目白駅からあるいて20分ほどにあった。
(http://ebat42195.blog.jp/archives/cat_1143820.html)
(http://ultrabigfight.blog.fc2.com/blog-entry-189.html?sp)
70分待ちだった。
ここまでで早くも計90分無駄にしている。
待っている間ヒマだったので“70分”という待ち時間について調べてみたところ、デイズニーランドの人気アトラクション「スターツアーズ」の同日の待ち時間と同じだった。
(http://www.tokyodisneyresort.jp/attraction/detail/str_id:tl_tours/)
ディズニーといえばクリスマスの過ごし方のトップオブトップ。「これは何かの巡り合わせだ」と感じ、待ち続けることにした。
(https://chirosuke.wordpress.com/2015/11/21/春画展/)
ヒントは何も得られなかった。
【展示の大まかな感想】
「ちん○んでかすぎ」
「ち○こでかすぎ」
さて、困った。
贈るのにふさわしいプレゼントがわからないままでは今回の案が成立しなくなってしまう。しかも待ち時間で足が疲れてしまった。
そんな中、渕上がとある提案をする。
「東急ハンズいくか」
(http://www.groupon.jp/deal_welcome-detail/cid/13146)
プレゼントにちょうど良い物を探す人の拠り所で、
プレゼンター業界では「安全牌の要塞」と呼ばれる。
狙い目の商品イメージがなくとも、「お、これいいじゃん」 レベルの物が容易に見つかるのが東急ハンズの魅力である。
結局、我々も東急ハンズで
“渡さないプレゼント”を購入した。
「てかこのプレゼントさ」
「うん」
「めっちゃ無難じゃん」
「」
(http://137441.jonasun.com/mobile/post_506.php)
「」
聖なる夜、渡さないプレゼント交換は
果たしてどんなミラクルを起こすのか。
(Tokyo案庵 第2回【前編】 終わり)
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☞次回 新しいプレゼント交換【後編】
いよいよクリスマス当日を迎える我々。
第1回「誕生日」とは異なり、当日は何も考えずに
「プレゼントを渡さないだけでOK」という余裕の状況。
しかし、ジェバンニ渕上のワンマンプレーにより
クリスマスパーティはやや難解な結末を迎える。
(http://bokete.jp/odai/588021)
お楽しみに。