新しいプレゼント交換【後編】(Tokyo案庵 第2回)
(引用:http://eikajapan.com/christmas-present/christmas-day/)
こんにちは。
【物語に入る前に】
Tokyo案庵・第2回キカク「新しいプレゼント交換の方法」は2015年12月25日に行われたもので、前編を更新してから5ヶ月の期間が空いたことには一つの理由がある。
(引用:http://www.imore.com/reviewing-iphone-6s-and-ios-9-six-months-later)
2015年12月31日「OSをアップグレードしようとしたら画面がフリーズし、データがすべて消える事件」
“プレゼント交換編”の写真は、すべて消えた。
(引用:http://marusen.blog66.fc2.com/blog-date-200809.html)
【☞データが消えた直後の心境はコチラ】
今回登場する写真の一部は、当時を再現して撮影されたものである。
5ヶ月の時を経て、ようやく「新しいプレゼント交換の方法〜後編〜」の幕は開く。
(引用:http://www.bybj.com.cn/ProductDetails.aspx?id=449)
<前編のあらすじ>
2015年12月のとある夜、私はクリスマス恒例のイベント“プレゼント交換”について考えた末、「受け取る人を決して幸せにしないのに、人々はプレゼント交換を惰性で続けている」という現状に気付いた。
そして、現状の問題点をふまえて新しい方法を考え抜いた結果、楽しみの大半である①“選ぶ時間”②“渡すまでのワクワク感”は残しつつも「プレゼント自体を渡す必要はないのでは」という仮説を立てた。
この案を検証するため私は、
ジェバンニ・渕上
カカシデザイナー・たまき
とともに「物理的なプレゼント交換を行わないクリスマス会」を開催することに。
東急ハンズで事前に買い物を終えた私と渕上は、万全の状態で検証当日を迎えた。
【☞まずはコチラで前編の復習から】
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【12/25(金) クリスマス】
(引用:http://yuki18nori19.blog38.fc2.com/blog-entry-150.html)
検証当日が来た。
舞台はカラオケ。
いつもと変わらぬ飲み会が始まる。
「メリクリ」
(引用:http://news.livedoor.com/article/detail/3565444/)
(引用:http://eiga.com/movie/33420/)
状況はシンプルだ。
①私と渕上は”バレバレな位置”にプレゼントを置いている
②最後まで渡すことはないので、隠す必要もない
③誰もツッコまない
「前回のような心理戦になることはありえない」
この場にいる全員がそう思っていた。
【☞前回の案: 「誕生日の新しい過ごし方」 はコチラ】
しかし、ひとつ気になることがあった。
カカシデザイナー・たまきから「プレゼントは買ったけど渡さない」という“素振り”がまったく見受けられないのだ。
具体的にどんな素振りかを尋ねられると返答に窮するのだが、とにかく「買ったけど渡さない」スタンスで構えていた私と渕上には、それはもう一目瞭然だった。
(引用:http://nyaasokuvip.net/archives/11167)
ーーーたまきにあらかじめ伝えた「プレゼント交換はしない」旨の連絡
“買った上で交換しない”という表現を繰り返したことで読者の皆さんに誤解が生まれているかもしれないが、これは言い換えると「別にプレゼントを買わなくてもよい」という意味でもある。
(引用:http://mekemond.blog62.fc2.com/blog-entry-255.html)
たまき絶対買ってない。
買う意味がないから当然だ。
・・・。
クリスマス会的な何かを開始して15分ほど。
当日のその場においては、渡さなければ買っていないのと同じであることに気付いた。
たとえばの話。
ーーー「卒業」があるから、学校生活は美しい思い出となる。
(引用:http://blog.goo.ne.jp/escassy1/e/85d0adc8e1b4126d4e9ba99742a27fe)
前田敦子がAKBを卒業したとき、多くのファンが涙した。
EXILEのHIROさんがパフォーマー引退を発表したとき、またどうせ人が増えるのだろうと思った。
「最後の瞬間」を迎えなければ、全ての物事は行方を失ってしまうのである。
プレゼントも、渡さなければプレゼントにはなれない。
たまきは銀杏Boyzを熱唱していた。
一次会終了。
【12/25 22時30分】
***ここからの写真は2016年5月8日に撮影されたものです。***
たまきが帰ったあと、
私と渕上はキカクの反省会を行った。
絶望にうちひしがれる私に、渕上は一つの指摘をした。
「てかさ」
「東急ハンズでテキトーなプレゼントを選んだ時点でさ」
「うん」
「今回のキカクの趣旨からずれていたよね」
(引用:東急ハンズ - Wikipedia)
そう、再三強調してきた「相手を想ってプレゼントを選ぶ時間が重要である」という前提に対し、“贈る側” すなわち我々の行動は不十分だった。
ハンズで適当にプレゼントを買ってはいけなかった 。
春画展を楽しんでいる場合ではなかった。
ーーーそして結論づける、この検証は失敗だったと。
「なあ」
「なんだ」
「これほど予想通りの予想外はなかなかないぞ」
さらに語気を強め、渕上は言う。
「そもそも」
「買ったのに渡さないって何なんだよ」
「…」
「渡せよ」
プレゼントの処理はどうしよう。
これでは前編に記した、もらい手の宿命「いらないプレゼントを棚の奥にそっとしまう行為」が、渡し手である私に委ねられただけではないか。
「いま思ったんだけどさ」
「何も準備しないでプレゼントとして物を渡したらどうなるんだろうな」
(引用:http://tabelog.com/hokkaido/A0107/A010703/1018010/)
そう、今回我々の認識のベースは
「相手を想ってプレゼントを選ぶ時間=プレゼント交換」
これが「渡さなければ意味がない」という答えを導き出した。
しかし逆に、プレゼント交換の表層にある「渡すという行為」だけを抽出したらどうなるんだろう。
(引用:http://www.bonobojapan.jp/content/1737)
「ふむ」
「そうか」
「今度は“何も考えずに買った物”でプレゼント交換しようぜ」
「ほう」
「まさに①事前準備②渡すまでのワクワク を取り除いた状態じゃないか」
これで答えがわかる、上の図は見事にMECEだ。
「プレゼント交換とは何なのか」に辿り着ける。
この熱が冷めないうちに、
そうだ来月中にでもたまきと3人で再戦を行うとしよう。
いや、各々が最大限のパフォーマンスが出来るようにもう少し準備期間を設けた方がいいかもしれない。
(引用:http://drama.matomemato.me/chat/藤原竜也-松ケン-続編-映画-death-note-2016-デスノート/)
私は安堵し、次なる展開を見据えた。
刹那、渕上が私に言い放つ。
「そう来ると思っていたよ」
(引用:http://drama.matomemato.me/chat/藤原竜也-松ケン-続編-映画-death-note-2016-デスノート/)
「はい?」
「この展開になると思っていたんだ」
「はい?」
「はい」
タメになる本を繰り出した。
「今じゃないでしょ」
困った。
こちらは何も準備していない。
(引用:http://www.tv-asahi.co.jp/imayaru/)
「あざす」
「写真が上手くなる43の勘どころ」を受け取りながら私は考えた。
渡せるような物はない…?
ーーーいや、ある。
(引用:https://www.youtube.com/watch?v=e8UkgcMBwbw)
この日、岐阜編でおなじみ “世界”から「小歳暮」が届いたのだ。
「はい」
AGFのスティックタイプのコーヒー。
「あざす」
世界のおかげでこの場は乗り切った。
危なかった。
プレゼント交換で私物を明け渡す羽目になるところだった。
「もらったお歳暮をクリスマスプレゼントに使う」という行為は人としてどうかと思うが、状況が状況だ。何にせよ私は、世界のヘルプにより事なきを得たのだ。それと同時に、渕上の用意周到さに恐怖も覚えた。
「びっくりしたわ」
「」
「もう1冊ある」
ーーーTokyo案庵は「新書紹介シリーズ」になるのだろうか。
「あざす」
さて、再び窮地に立たされてしまった。
もはや打つ手は選べない。
最終手段、私物である。
最後までジェバンニにイニシアチブを握られたまま
この戦いを終えるわけにはいかない。
(引用:http://miha.at.webry.info/200611/article_4.html)
カバンの中身を再度確認し、私が差し出したのは
伊坂幸太郎の人気作
「グラスホッパー」
まだ読みかけだった。
けっこう終盤まで読んだのに。
「めっちゃ折り目ついてんな」
「…けっこう前に読み終えたやつだからな」
「へー、面白いの?」
「個人的には好きかな」
「まあ、読んでのお楽しみだよ」
***
提案:「プレゼント交換では、モノは買っても渡す必要はない」
****【試した結果】****
①ちゃんと渡した方がいい。
②考えられたプレゼントでもそうではないプレゼントでも嬉しいが、前者の方が嬉しい。
③友人から物をもらうのは何だかんだ嬉しい。
結論:考えてプレゼントを贈ると、何か伝わる。
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【エピローグ】
後日、ジェバンニ渕上から1枚の写真が届いた。
やはりプレゼントは気持ちのよいものだ。
(Tokyo案庵 第2回 【後編】終わり)